レアルマドリード全選手解説もかなり進んで、終盤戦に近づいて来ました。今回はレアルマドリードの下部組織出身で、レアルマドリードというクラブでは異質のプレースタイルと勤勉性を持つルーカス・バスケスについてご紹介します。
基本情報・成績
ポジション:右サイドバック、右ウイング
所属:レアル・マドリード
スペイン代表
生年月日:1991年7月1日
市場価値:1500万ユーロ
今シーズンの成績:31試合2ゴール7アシスト
レアル・マドリードでの成績:237試合26ゴール73アシスト
プレースタイル
銀河系軍団で異質な勤勉性
ルーカス・バスケスのレアルマドリードで評価されている点は勤勉性だ。試合に出ればウイングであろうと、相手のサイドバックに最後の最後までついていくし、他のウイング陣の疎かな守備をカバーしていた。(特にロナウドとベンゼマとウイングを組んでいた時)
運動量がとにかく豊富なのでスタートでも十分活用できる。一時期は試合のまとめ役として試合の終盤に、守備もできるウイングとして投入されていたが、運動量によるサポート性能の高さからスタメンでの出場も多い。
バスケスが得意なのはドリブルだ。他の高速ウインガー達と比べればインパクトはないがバスケスの持ち込みたい形は基本ドリブルだ。シザースと相手との、縦に行くのか中に切れ込むのかどうかの駆け引きで相手を抜くのを得意としている。爆発的なスピードはないが、判断はいつも的確。
サイドバックとして覚醒
今シーズンのバスケスの出場の内訳は右ウイングは11試合、右サイドバックが18試合と今季はサイドバック起用の方が多い。そこでカルバハルと守備的スタッツと攻撃スタッツを比べてみた。以下に比較表を示す。まずは90分あたりのディフェンシブなスタッツからだ。
試合 | タックル数 | インターセプト数 | ファウル数 | クリア数 | ブロック数 | |
ルーカス・バスケス | 30 | 2.3 | 0.8 | 1.6 | 0.9 | 0 |
ダニ・カルバハル | 13 | 2.0 | 1.3 | 1.3 | 1.2 | 0.1 |
以上のスタッツから見るに、バスケスは本職ではないが、守備面でかなりカルバハルに肉薄するスタッツを誇っている。ディフェンスの経験が大きく関わるであろうインターセプト数、クリア数、ブロック数の面ではやや劣る。
しかしバスケスが他のサイドバックと比べて際立っている点がある。それは一対一の強さだ。ルーカス・バスケスはウイングとして数多の名ディフェンダーと対峙してきた経験を生かして、さまざまなタイプの技巧派ウイングを止めている。普段から一対一の回数が多いバスケスはアタッカーと駆け引きをしているのであろう。上手に体を入れたり、遅らせたりとクレバーな対応をいつも見せている。ディフェンス面においても成長し続けた今となっては、一対一対応という面ではカルバハルよりも優れているかもしれない。
今思えばバスケスのサイドバック起用はここぞという場面でジダンは使ってきた。17-18シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝バイエルン戦もバスケスは右サイドバックとして起用された。対峙する相手はリベリーであったが、バスケスはリベリーという世界屈指のサイドアタッカーと互角以上の戦いを見せた。やはりバスケスは一対一において自信と実力が兼ね備わっているだろう。
次は攻撃面の90分あたりのスタッツを確認しよう。
試合 | ゴール | アシスト | シュート | キーパス | ドリブル | 被ファウル | |
L・バスケス | 30 | 2 | 6 | 0.9 | 1.9 | 1.4 | 1.4 |
カルバハル | 13 | 0 | 2 | 0.7 | 0.8 | 0.7 | 0.7 |
今季のバスケスの攻撃面でのスタッツはとても好調だ。確かにバスケスは右サイドバックとして先発されれば、どのプレーでもオーバーラップするし、カウンターの時もサイドバックながら前線の選手並みに飛び出していく。
ウイングならではのテクニックを生かしたファウルのもらい方やビルドアップにも定評がある。ヴァランのビルドアップが不安定となってしまっている今、オドリオソラではカルバハルに代わって攻撃を促進させることは不可能だ。その点ルーカス・バスケスを起用するとヴァランにとって、バスケスはプレスの逃げ場となっており、ビルドアップにおいて非常にバランスの取れたシステムにすることができる。
続いてはバスケスの熱さ、、もっと好きになるバスケスの動画集