基本情報
クロアチア代表
ポジション:IH、アンカー
生年月日:1994年5月6日
市場価値:レアル・マドリード入団時(2000万€)→レアル・マドリード退団時→(3500万€)→チェルシー現在(4500万€)
レアル・マドリードでの成績:109試合3ゴール8アシスト
チェルシーでの成績:172試合4ゴール17アシスト
経歴を知れば選手がわかる
コバチッチのキャリアは母親がクラブのトライアウトに参加させたとことから始まる。当時住んでいたオーストリアのリンツのチームに参加し、惜しげもなくその才能を発揮する。13歳にして、両親の元から離れてクロアチアの名門、ディナモ・ザグレブに加入した。
ディナモ・ザグレブで最年少記録を作りながら大ブレイク。その後、インテルに移籍。インテル移籍当初は現在よりもより前めのポジションでプレー。インテルで攻撃的MFとしてこちらも大活躍。相手DFを何枚も得意のドリブルで剥がして長友へアシストしたプレーは伝説となった。
その後、モドリッチの進言もあってレアル・マドリードに加入。モドリッチには「将来はバロンドールを取れる逸材だ。」お墨付きをもらった。しかし、そのモドリッチ、クロース、カゼミロの全盛期黄金トライアングルを崩すことができず、ベンチを温めた。そこそこ重要な試合でもスタメンを張ることもあったが、主力になることはできずチェルシーに移籍を決断。しかし、マドリーはコバチッチ放出を拒んだ。コバチッチは退団の決意をすでに固めていて、練習を無断欠席と強硬手段をとった。
かくしてコバチッチのイングランドでの挑戦が始まった。サッリ政権では出場機会を確証されていなかったが、ランパード政権で評価をあげ、チームにとって重要な存在へと昇華して行く。現在は世界的名将へとここ数年で一気に駆け上ったトゥヘルのもとに師事しているが、より絶対的な存在へと進化している。
プレースタイル
恐ろしいほどの突破力、攻撃性能
コバチッチは全ての能力が非常に優れている守備的ミッドフィルダーに分類されるだろう。インテル時代は主に攻撃的なポジションを務めることが多かった、レアル・マドリードに移籍してからはチーム事情もありやや後ろめでプレーする事が増えてきた。
トゥヘル体制の現在では2ボランチの一角を務める場合がほとんどであるが、中盤が3枚の場合でも十分機能的に働く事ができる柔軟性を持ったプレーヤーでもある。
そしてコバチッチが世界的に見ても異質な中盤の選手であることを証明する武器が異次元の突破力だ。中盤の選手にしてはスピードがずば抜けていて、スルスルとボールを持ち出して局面打開をできてしまう。
衝撃を受けたのが21-22シーズンの対リヴァプール戦でチェルシーは退場者を出してしまい、リヴァプールのハイプレスを前に数的不利の場面が連続して起きていたが、コバチッチは単騎でリヴァプールのプレスを掻い潜ってしまう。いわゆる魅せるテクニックはほとんど使わないが、スピードの緩急と細やかなステップで1人でもビルドアップを成立させていたのだ。中盤の選手においてコバチッチの短距離での加速に勝る選手は世界を見てもいないのかも知れない。
コバチッチのもう一つの魅力であるのは縦思考の鋭いパスだ。

コバチッチのパスセンスには非凡なものがある。レアル・マドリード時代から鋭いスルーパスを狙う場面は多かったがラ・リーガはプレミアリーグに比べるとオープンなスペースが生れにくい。プレミアリーグのインテンシティ志向かるスペースが多い状況はコバチッチの輝ける場に違いない。
そしてトゥヘルは日頃から斜めのパスを練習から意識させるなど、スペースを生成させる動きを選手の体へ染み込ませている。裏抜けを狙う選手が多い状況、コバチッチからしてみれば縦パスの受け手が多い現在の状況は心地いいものがあるだろう。
守備的ミッドフィルダーらしからぬ攻撃センスを持っているコバチッチであるが、守備能力も申し分ない。マドリー時代から高かったネガティブトランジションへの意識の高さやプレスバックをサボる悪癖にも改善が見られている。コバチッチはもはや世界を代表する中盤の名手として数えられてもおかしくないだろう。

レアル・マドリードでの評価
ジダンのコバチッチに対する評価は非常に高かったし、マドリディスタもコバチッチを高く評価していた。しかし、モラタ同様、ビッグマッチでの出場機会の少なさや安定して出場できなかったのが退団を希望した原因だ。現実問題、コバチッチは3年連続でCLの決勝でベンチ入りするもCLの決勝という夢の舞台に立つことはなかった。彼はのちのインタビューでその事実に対する悔しさを滲ませていた。
コバチッチは黄金のトライアングルから様々な技術を学び、大きく成長した選手だ。コバチッチはクロース、モドリッチ、カゼミロの代役であればどこでもできるので戦力としてマドリーに重要であった。またコバチッチをエル・クラシコにメッシ対策に起用していたのはジダンのコバチッチに対する信頼の暑さが伺える。CLのPSG戦2ndレグでもその守備力を買われ、先発出場していた。
現在、着実に年齢を重ねつつあるクロース、モドリッチ、カゼミロの代役としてコバチッチの復帰を願うマドリディスタは非常に多いだろう。コバチッチ一人で中盤の戦力の計算が立つ。モドリッチの正当後継者として期待していたファンも非常に多い。
実は5ヶ国語を話す秀才!?
コバチッチは語学が堪能なようだ。この事実が発覚したのはエル・クラシコでの出来事だ。コバチッチとたびたびマッチアップしたジョルディ・アルバは試合中にコバチッチに罵声を浴びせたようだ。
「スペイン語をはなせバカ、黙れよ、このドジが」
アルバがこのような罵声を浴びせたコバチッチは実はイタリア語、クロアチア語、英語、スペイン語、ドイツ語を話すことができる。インタビューでも流暢なスペイン語を披露している。ジョルディ・アルバは試合中相手を挑発するような発言が多く、自分でも「僕のスタイルは多くの人に好ましく思われないだろう」と認めているが今回は相手を少し間違ってしまったみたいだ。
パートナーは誰?
コバチッチのパートナーは現在コバチッチと結婚して、イザベル・コヴァチッチと名乗っています。
コバチッチとは10代の頃、教会で出会ったことがきっかけのようでインテル時代からコバチッチを支えています。
職業はオーガニック食品を取り扱う会社の社長であり、実業家でもあります。そしてその美貌も相まって「クロアチアのシャキーラ」と呼ばれております。

終わりに
チェルシーさん、今のコバチッチの出場機会だと退団しそうなので是非ともレアル・マドリードにください。そう願いたくなるほど、コバチッチが恋しいです。