今冬にもレアルマドリード移籍が実現しそうな怪堂キリアン・エンバペ。彼のプレースタイルを今か今かと待ち続けたマドリディスタが徹底解説いたします。加えてクリスティアーノ・ロナウドとのエピソードや幼少期についてご紹介!
基本情報・成績
基本情報
ポジション:センターフォワード、ウイング
所属:PSG
前所属:モナコ
フランス代表
生年月日:1998年12月20日
市場価値:1億6000万ユーロ
成績
PSGでの全公式戦での成績
試合数 | ゴール数 | アシスト数 | |
21-22 | 24 | 15 | 17 |
20-21 | 49 | 42 | 13 |
19-20 | 39 | 30 | 21 |
18-19 | 44 | 39 | 22 |
17-18 | 44 | 21 | 18 |
プレースタイル
爆速とインテリジェンス
エンバペの最大の武器といえば、爆発力な加速とトップスピードの速さの両立だ。彼一人いるだけで相手チームはカウンターのケアに大きなリソースを割かなければいけない。
フランスの国立のサッカー専門施設に所属しており、その施設でエンバペはテクニックとポジショニングを徹底的に磨いた。エンバペは世界で1、2を争うスピードに加え、テクニックとポジショニングもワールドクラスである点がポストメッシ、ロナウド世代の一番手である理由だろう。
まずはドリブルだ。一対一に対しても非常に強く、シンプルな仕掛けでもスピードを活かして縦をぶち抜いてしまう。ネイマール御用達の反発ステップでの突破は分かっていても止められない。またロナウドを彷彿とさせる高速シザースや切り返しもアンタッチャブル。常に次のプレーを意識しているようで、突破からフィニッシュも速く正確。
またスピードで圧倒的にアドバンテージを持っているにも関わらずエンバペはポジショニングも非常に良い。めちゃくちゃ脚が速いことになまけることもなく、ディフェンダーと駆け引きできるのでもはやエンバペを封じるのは世界でも指折りのディフェンダーにしかできない芸当だ。
またパスセンスも非常に高く、味方とのワンツーでスペースに走り込む技術は非常に高い。加えてヒールトリックを用いた相手を欺くようなパスも持っており、スペースのないボックス内でも脅威になれるプレーヤーである。若くしてスペースがない状況、ある状況にも関わらず活躍できるのはエンバペがいかに完成しているかを表している。
ちなみにファン対応についても彼の冷静さは表れており、ファンと写真を撮り終わった後はすぐに笑顔から真顔へと戻る。
決定力の高さ
エンバペの類まれなるシュートセンスの高さも得点を量産できている理由だろう。足元の技術が基本的に非常に高いので、高い決定力を発揮できている。
多少コースが厳しくてもゴールキーパーが取れないのならと平気で難しい判断をできるのも特徴的だ。こぼれ球を平気でゴールネット上部の突き刺せるのは彼の技術の高さを表している。
右足、左足、そして時にはヘディングで合わせることが可能なユーティリティ性にも非常の優れている。
キーパーともしっかり駆け引きしてまた抜きを狙うような冷静さも兼ね備えており、エンバペは全曲面において非常に優れているストライカーだ。
守備問題はどうする?
エンバペは現在PSGで守備を免除されている。裏を返せば彼が前残りすることで相手に脅威を与えることができるが、現在の世界最高レベルのバイエルン、リヴァプール、マンチェスターシティにはエンバペのような守備免除をされている選手はいない。
もちろんビッグマッチの際にはエンバペも守備に戻るが、守備免除を普段からされていることでチームのハイプレスのシステムなどの熟成を妨げる側面もある。チャンピオンズリーグを近年制しているリヴァプール、チェルシー、バイエルンはどのチームも徹底したチーム全体の守備構造を構築している。もはやそういったチームでないとチャンピオンズリーグを制すのは難しいのかもしれない。
事実レアル・マドリード対PSGでのラウンド162ndレグでの戦いはメッシ、ネイマール、エンバペの3人を同時起用して臨んだが見事に3失点で粉砕されてしまった。多くのサッカー有識者が語っていたようにこの3人のうち2人までだったら負けないかもしれないが、3人とも起用するとなると守備負担が大きすぎるとまさに予想されたいた展開となってしまった。
世界最高峰の選手が守備をする時代、エンバペのあり方は未だ定まっていないし、圧倒的な個を持つ選手の守備免除が起こった場合のチームの最適解は撤退守備のまま進化ができていない。
これからもまたエンバペは多くの名将と出会うことだろう。その中で彼なりの最適解を見つけて欲しい。
怪童らしい幼少期
エンバペの出生はフランスのスラム街だ。国立のサッカー専門施設に所属していた過去があるため、あまり感じさせないが実は貧困層からの成り上がりの選手。というのもエンバペが所属していたサッカー施設は貧困層の選手をサポートするために立ち上げられたものだ。
施設では自分の長所を伸ばすとともにポジショニングとテクニックを叩き込まれる。現在では3000人を超す応募者の中から僅か1%しか入団できない狭き門となっている。
エンバペはそんなサッカーエリートが集まる環境の中でも異質だったという。指導者が彼に最適なポジショニングを教えると必ず「どうして?」と聞き返してくる子だったらしい。エンバペは機械的には判断をしない現代的な柔軟性を持った選手であるに違いないエピソードだ。
エンバペはモナコでCLベスト4の立役者となり同年は18歳にしてCLで6ゴールをあげた。19歳フランス代表の10番として臨んだ2018ロシアワールドカップでは、フランス代表優勝の原動力になり最優秀若手選手賞を受賞。PSGでは毎年のようにリーグアン得点王やチャンピオンズリーグでの大一番で得点を決めるなど、ずば抜けた記録を残し続けている。
マドリー移籍までの駆け引き
エンバペは16-17シーズンの大活躍、大ブレイクを受けて相思相愛となったこともありレアル・マドリード移籍の噂が浮上。しかし彼がステップアップの場として選んだのはモナコと同じくフランスのPSGであった。当時、エンバぺがレアル・マドリード移籍を選ばなかった理由は「BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウド)がいるからポジションを得られないと考えていた」からだという。この選択は結果として遠回りとなったが個人的には最良の選択だったと思う。
そんなこんなで1億7500万€という破格の金額での移籍を果たしたエンバペだが、レアル・マドリード移籍への願望は隠さなかったし、周りの選手が公に口にしていた。
20-21シーズン、残り契約年数2年となったタイミングでエンバペが移籍するだろうと思われていた。アザール、ヨビッチの大型補強に続いて、、しかし、ご存知の通りのパンデミック直撃でエンバペの加入は先送りとなった。レアル・マドリードの財政はもちろん、スタジアム改修とパンデミックにより圧迫されたためエンバペの補強は実現しなかった。
続く21-22シーズン、白い巨人はエンバペ獲得に最も近づいた。残り契約年数一年にも関わらずマドリーはエンバぺに1億6000万€の移籍金を用意した。この取引は多く注目を集めた。これは単なる2つのクラブの選手交渉ではない。カタール国家が運営する「絶対に選手を売らないクラブ」と圧倒的ブランド力と歴史を誇る白い巨人の誇りをかけた取引なのだ。今までPSGは主力選手をみすみすと相手に引き渡すことはなかった。
レオナルドSDはレアル・マドリードが多額の移籍金を積んでも強気の姿勢だ、3度に渡る増額オファーを断った。ここでレアル・マドリードは手をひき、見せつけるかのようにPSGが注視していたフランスの有望株であるカマヴィンガをレンヌから獲得した。フロレンティーノ・ペレスのPSG対策は抜かりなく、引き抜き防止のために主力選手の多くの契約延長と契約解除金の増額を成功させた。
シーズン開始前はレオナルドSDも「エンバペの契約延長はきっと成功する」と強いの姿勢をとっていたが、シーズン半ばにして白旗宣言。契約期間が残り半年となる冬の移籍市場でエンバペはレアルマドリード移籍を実現させるだろう。
憧れのロナウドとジダン
エンバペの憧れにプレーヤーはクリスティアーノ・ロナウドだ。幼少期は自分の部屋にクリスティアーノ・ロナウドのポスターを貼りまくっていた。エンバペがロナウドのポスターに囲まれて、笑顔を浮かべている写真はあまりにも有名だ。著作権的に載せることは厳しいので是非調べて、写真をご覧になっていただきたい。
さらに有名な写真はエンバペがクリスティアーノ・ロナウドと写真を持って無邪気な顔でピースしている写真。ちなみに実はこの写真は二人目の憧れであるジネディーヌ・ジダンが撮ったものだ。
エンバペの父親はエンバペについてとこう語っていた。
彼はレアル・マドリードが大好きで、アイドルはクリスティアーノ・ロナウドだ。彼はインターネットで動画を見るのに何時間も費やしていたよ。
エンバペのロナウドに対するエピソードは留まることを知らず、UEFAネーションズリーグでポルトガル代表とフランス代表が対戦した際には「僕のアイドル、、」というキャプションと共に「Greatest Of All Time」を表すヤギの絵文字を載せていた。これだけでもエンバペのクリスティアーノ・ロナウドへの多大なるリスペクトが感じられる。この試合後にはしっかりとユニフォームを交換していた。
最近の出来事でいうと、エンバペがPSGでの100ゴール目を達成した際のパフォーマンスがロナウドがマンチェスターユナイテッドで100ゴールに到達していた時のパフォーマンスを真似ていたというものもある。
エンバペってロナウド大好きなんだなあと思わせられる。
ちなみにあまりメディアには取り上げられないが、母国のレジェンドであるジダンももちろんエンバペにとってのアイドルであり、レアル・マドリードの練習場に招待された際にはジダンが車で迎えてくれてとても緊張したらしい。そして愛くるしいエピソードだが、エンバペが車に乗る際は初めての高級車だったので「この車に乗るときは靴を脱いだ方がいいですか?」と尋ねたようだ。
正しい発音
現在はどちらかと言うと「ムバッペ」読みが多いですが本人的にしっくりくる読み方は「エンバペ」だそう。サッカーキングの取材で明らかになった。動画は下のリンクから。
現在では現地での読み方に選手の呼び名を合わせることが多く、最近ではクラブのレジェンドでもありバルセロナの監督である「シャビ」の読み方が現地に合わせて「チャビ」に統制されてきた。多くのメディアが長年の「シャビ」読みから「チャビ」にシフトしてきている。
ということなので現地での呼び方に合わせてエンバペと読んであげましょう。