ラルフ・ラングニックの戦術、経歴、弟子に迫る…ライプツィヒ躍進の仕掛け人

監督,代理人,解説,実況etc
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今回は知る人ぞ知る名将ラルフ・ラングニックについて紹介します。ここ近年のポゼッションにサッカーに対応したカウンターやプレスを生み出した実はすごい人なんです。そんな彼に迫ります。

経歴紹介をさらっと、、

ラングニックのプロとしてのキャリアはシュツットガルトから始まりました、、と言いたいところですがラングニックはプロには昇格できませんでした。そして19歳の時、選手兼サッカー監督という立ち位置でブンデスリーガ6部クラブから監督キャリアが始まります。

その後ブンデスリーガ2部のSSVウルムに監督をし、功績を認められてハノーファーに就任。ハノーファーの一部に昇格させると今度はシャルケを率い就任1年目で2位に押し上げた(2004-2005)。そしてさらにラングニックの挑戦は続く。

2006年に今度は当時3部のクラブであったホッフェンハイムをわずか2年で1部へストレート昇格させた。現在のホッフェンハイムの奮闘ぶりを見ればいかに素晴らしい功績であるかわかるだろう。

2012年にレッドブルグループのサッカー進出とともにレッドブル・ザルツブルクとRBライプツィヒの統括ディレクターに就任。独自の移籍戦術指南書を作り現在もその指南書をもとにザルツブルク、ライプツィヒともに優秀な選手を世界中からかき集め、優秀なタレントを輩出している。2015年に当時2部にいたライプツィヒの監督に就任。1年で昇格させ、2年目ではバイエルンと優勝争いをするまでにライプツィヒを成長させた。18-19シーズンも再びライプツィヒの現場に復帰、次の後任が決まるまでの場繋ぎのための就任だったのにも関わらず、ブンデスリーガ3位を獲得し、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ出場権を手にした。

裏話ではありますが、ホッフェンハイム時代にクロップドルトムントをラングニックのサッカーが4−1と圧倒したことがきっかけでクロップがゲーゲンプレスを始めたとも。

何がすごい人なのか?

ポゼッションサッカーへの対抗策を0から作った

現在のフットボールではクロップのゲーゲンプレスをベースにしたカウンターサッカーを嗜好するチームが非常に多くなったなりました。スペインで誕生したティキタカを駆使し、ボールを支配することで試合を支配するポゼッションサッカーに対するアンチテーゼとしてこのようなサッカーは世界中に浸透しています。

世界レベルで注目されたのはクロップの生み出したゲーゲンプレスですがラングニックはそれの礎を遠く昔の1998年からすでに築いていた人です。サッキ監督のACミランのビデオの分析を通して、「このゾーンマーキングは新しい戦術になるのではないのか?」と気づき、HelmutGroßというエンジニアとともに新たな戦術を生み出したのです。ラングニックは当時をこう語っています。

本も無かった。経験もなかった。ピッチで起きている事象を表すような語彙すらもなかった。

クロップがゲーゲンプレスを飛躍させた人物であるならば、ラングニックは0からそれを構築した人物でしょう。彼がいなければ、ポゼッションサッカーに対抗する術がなかったのかもしれません。

多くのドイツ人指揮官に影響を与える

そして多くのドイツ人指揮官に影響を与えてきました。それを物語る大きな事実としては現在ブンデスリーガのチームを指揮する監督のうち、8人もラングニックと関わってきた人たちなのです。

またラングニックの弟子として挙げられるのがトゥヘルとナーゲルスマンです。稀代の戦術家たちに大きな影響を与えています。

ラングニックがボールを持っていない時点で相手を圧倒するサッカーをする監督全てに影響を与えていると言っても全く過言ではありません。

戦術

徹底したトランジション〜8秒ルール〜

ラングニックは非常に原則を大事にする監督です。その中で彼が指揮するチームはトランジションで相手より優位に立つことを大切にします。ラングニックはボールを奪った瞬間にリスクがあっても縦パスを通すよう要求します。 

ラングニックの哲学では縦パスはゴールに素早くボールを運ぶもので横パスは時間を浪費するものとしているからです。ボールを奪い返してから10秒以内が最も得点を奪いやすいので、ラングニックはトランジションを重要視するのです。トレーニング内容でもトランジションと縦の速さを意識した10秒のカウンタダウン付きの時計を用いたものがあります。

またこのトランジションの速さを明確にするためにラングニックは「8秒ルール」といった原則を取り入れています。内容は至ってシンプル。ボールをとられてから8秒以内は強烈なプレスをかけ即時奪還を狙うといものです。この8秒以内にボールを奪いに行くのはまさにゲーゲンプレスと同様ですね。この局面を狭くするプレスはボールを奪った後も、味方同士の距離を短くし味方に素早くボールを渡せるといった別のメリットもあります。

また速いプレーをしたいのであれば、脚ではなく頭の回転を早くする必要があるというのは彼の名言ですね。この言葉通り名将ナーゲルスマンはトレーニングで試合以上の負荷を頭にかけることによってダイナミズムもあり高速性のあるサッカーを展開できるようにトレーニングしてます。

ボールの狩りどころは中央

ラングニックはライプツィヒ時代4-2-2-のようなシステムを好みました。2トップと2ボランチと2サイドハーフで6角形を作り、その中央に敵を誘導します。そこで四方八方からボールを奪いに襲いかかります。その上で守備は超ハイラインです。相手を押し込むことを大切にしています。

この6角形に相手を引き込む

ラングニックがこのようなオフザボール時に相手を押し込むサッカーを施行するのは、ドイツ人ならではの特性だと言います。ドイツ人の性格にあったようなプレースタイルみたいですね。

卓越したチームマネジメント

ラングニックは完璧主義者ではありますが、チームマネジメントも意外に上手なようです。

まずラングニックが新たに取り組んだのは罰金によるペナルティの廃止です。ラングニック曰く「プロになってお金をたくさんあるのだから、彼らは何よりも時間を奪われることを嫌がる」という。そこで導入されたのはルーレットだ。ルーレットをまわし、そこに書かれている罰ゲームをこなす。罰ゲームの内容は「1週間ショップの定員を手伝う」や「用具係を手伝う」といった単純なもの。しかしその中には「罰ゲームなし」と言ったのもあったみたいですね。

ラングニックもチームのルールである食事中のテーブルにスマートフォンを置かないというルールをうっかり破ってしまい、みんなにからかわれルーレットを回したとか。

さらにラングニックはチーム公用語をしっかりと設けます。ドイツ時代はドイツ語と英語を公用語とし、うまく話せない選手には話せるようになるまで専属の語学講師をつけたそうです。それに加えて、チームの食堂でのランチの場も選手同士の仲を深める場としていつも同じグループで食事することを禁止したという。

終わりに

インテリジェンスで完璧主義で、人間みがある監督、それがラングニックです。これからもレッドブルグループとラングニック見逃せません。

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