ライオラの特徴
まず見た目などの特徴から解説しよう。アメコミ映画なら確実に敵役として登場するであろう風貌は貫禄を感じさせる。マイアミに12億円の豪邸を購入しているのもそう思わせる要因だ。ジョルジュメンデスと欧州市場の代理人のトップツーであることは疑い余地もないほどビッグディールを成功させている。年収が8470万ユーロに登ったことも!
ライオラの目につけるタレントの特徴としては非常に体格と身体能力に長けた選手が多い。例えば、ルカクやハーランド、イブラヒモビッチ、ポグバ、デリフトなどだ。
またジョルジュメンデスと違ってきまった地域のみに手を出すのではなく、比較的取り扱っている選手の国籍はさまざまだ。
そしてライオラの最大の特徴はクラブや監督と徹底的に対立するところだ。ペップ、ジョゼ・モウリーニョ、アレックス・ファーガソンと言った名だたる名称が名指しでライオラを『Bad Guy』であると公言している。ライオラの選手がみな在籍年数が短いのはライオラ自身がチームと対立し選手とクラブの関係を複雑化してしまうからであろう。
ここまでライオラの悪い面ばかりが目立つような書き方をしてしまったが、もちろんライオラにも良い面はある。何よりもライオラの評価される点は選手から信頼だ。ライオラは選手ののぞむ移籍先に選手を売り込む能力は非常に高いし、顧客が最も成長、満足できるクラブを移籍先に選ぶことが多い。その例として、ハーランドがドルトムントでまたレベルアップできていることや、加入当初こそ苦しんだものデリフトもイタリア王者のもとで着実に実力と評価を高めている。ルカクはインテルに移籍してから自信を取り戻し、イブラヒモビッチは目論見通りアメリカでレジェンドとなりミランでの活躍はご覧の通りだ。
また顧客のフェイクニュースが流れれば、上記のように加工して自身のインスタグラムにポストすることもしばしば。
ライオラはクラブから見れば足元を見てくるし、駆け引きをメチャクチャしてくるめんどくさい代理人の一人であろう。しかし顧客、選手目線からしてみれば信頼できる頼れるエージェントなのである。
終わりに
ライオラは先日、心臓の病で54歳という若さで亡くなってしまいました。多くの選手やサッカークラブが反応して追悼の意を表していたようにサッカー界における彼の影響は絶大でした。そして何よりも彼のモットーである顧客は家族のように扱うという姿勢はクラブと対立してでも選手のキャリアを助ける代理人としてのプロフェッショナルの表れでしょう。
安らかに。