今回はウルグアイの生ける伝説であるルイス・スアレスが「あいつはやばいぞ、まさに怪物だ」と称賛したレアル・マドリードの新進気鋭の若手選手のフェデリコ・バルベルデについてご紹介します。もはやレアル・マドリードに安定性をもたらす存在として不可欠なので、しっかりと学んでおきましょう。
基本情報・成績
ポジション:インサイドハーフ、ウイング
所属:レアル・マドリード
ウルグアイ代表
生年月日:1998年7月22日
市場価値:7000万ユーロ
レアル・マドリードでの成績:97試合5ゴール6アシスト
ウルグアイ代表での成績:22試合2ゴール
年俸:374万ユーロ(約4.8億円)
プレースタイル
推進力あるドリブル、チャンスメイク
バルベルデの傑出した能力はドリブルの推進力だ。大きなストライドと急加速を用いたシンプルな運びで、数人のプレスを無力化してしまう。モドリッチやクロースといった長年レアル・マドリードで主力を張ってきた二人のビルドアップやチャンスメイクと違ったアプローチを彼は持っているのだ。モドリッチとクロースがパス中心で、攻撃にアクセントを加える中、フェデリコ・バルベルデは推進力あふれる持ち上がりで違いを見せる。
ビルドアップで詰まった場合や前にスペースがある場合、バルベルデは持ち前のスピードを生かしてボールを運ぶ。バルベルデを止めに入ったディフェンスをいなすことで、マークがずれシンプルに空いた選手を使う。ドリブルが得意とはいえ、球離れが決して悪いわけではないのがバルベルデの評価されている点だ。
そしてバルベルデは意外にもシュートが非常にうまい。ボールの芯を的確に捉えることができるの、コーナーキックからのトリックプレーでボレーを直接叩き込むこともある。シュートは強烈かつ正確で、ライナー性のためキーパーは非常に対応しづらいだろう。
世界最高レベルのボックストゥボックス
ジダンは長らくボックストゥボックス型の選手を求めてきた。その代表例がポール・ポグバだ。マンチェスターユナイテッドで燻っていた彼に1億ユーロ以上のオファーも考えていたことだろう。しかし、そのプロジェクトは一人のレアル・マドリードに現れたウルグアイ人の台頭により、終わりを見せた。フェデリコ・バルベルデはポール・ポグバに並ぶ、超える存在になる将来が見えたのだろう。
フェデリコ・バルベルデは相手陣内奥深くのポケットに侵入することもできる上に、ベンゼマに続いてボックス内に飛び込みクロスに合わせられる選手でもある。バルベルデはレアル・マドリードの中盤の中では最も1試合あたりのゴール期待値とアシスト期待値が高い選手であり、彼の強みが存分に発揮されていることがわかる。
そしてここでバルベルデとモドリッチ、クロースの90分あたりの主要スタッツを比べてみたい。役割と任せられるタスクは違うとはいえ、タックル数、インターセプト数、クリア数では他二人を超えるスタッツを誇っており、バルベルデのもたらす守備強度が感じられる。
タックル数 | インターセプト数 | クリア数 | ドリブル数 | キーパス数 | ロングボール数 | |
F・バルベルデ | 2.2 | 2.8 | 0.7 | 1.0 | 1.0 | 1.3 |
ルカ・モドリッチ | 1.3 | 1.6 | – | 0.9 | 1.3 | 4.6 |
トニ・クロース | 1.8 | 1.6 | 0.4 | 0.6 | 2.2 | 9.4 |
とはいえ攻撃スタッツではまだまだモドリッチ、クロースに遠く及ばない。こちらの数値も伸びていけばより、チームにダイナミズムをもたらせる選手になりそうだ。
ピッチにもたらす強烈なインテンシティ
バルベルデを中盤起用するとチームの特色が変わる。バルベルデがインサイドハーフ起用されれば、レアル・マドリードは守備時により前がかりになり、インテンシティも増す。バルベルデ一人の存在がチームの色をこうも変えてしまうのは、彼のピッチにもたらす影響力の大きさを物語る。
最近のレアル・マドリードのカウンターはモドリッチとクロースの強力すぎるプレス耐性から、相手をいなすことで即時奪還しようと前がかりになっている相手の背後を狙うというものだ。バルベルデが中盤起用されれば、もっと構造はシンプルになる。強烈なインテンシティが中盤にもたらされるので、今度はレアル・マドリードが即時奪還からのショートカウンターを打ち込む形になる。
そしてバルベルデは何よりも気が利く選手である。リヴァプールのヘンダーソンが相手のカウンターを逆にハイトランジションで潰してしまうのと同様。バルベルデも持ち前の切り替えの速さで、相手の攻撃の出足を潰してしまう。
足も早く、推進力もあるバルベルデは現代らしいゲーゲンプレスやハイプレスからのカウンターの申し子なのだ。一人でレアル・マドリードの強度を変えてしまうバルベルデ恐るべし。
大気を感じさせるメンタリティ
フェデリコ・バルベルデの名が一気に世界に知れ渡ったのは2020年のサウジアラビアで行われたスーペルコパの決勝アトレティコマドリード戦であろう。この試合フェデリコ・バルベルデのパフォーマンスは素晴らしかった。一人で中盤と、右サイドを圧倒的インテンシティで制圧し、攻撃に何度も絡み決定機も創出した。その日、チームの攻撃を司るベンゼマはいなかったが、スーパーな活躍を見せたバルベルデが一人何役もこなしていたのだ。
しかし試合のハイライトは決して褒められるプレーではなかった。試合は0−0のまま進み、延長戦。延長後半、試合も115分を回ったとき、コーナーキックを跳ね返したアトレティコ・マドリードのカウンターが始まる。カルバハルが競り合いに負け、ボールはドフリーのモラタの前へ。モラタはガラ空きの前方のスペースにボールを運び、あと数メートルでペナルティエリアに侵入、、というところでバルベルデが後ろからモラタの足を刈り決定機阻止。バルベルデはもちろん危険かつ悪質なファウルとして、1発レッドで退場となってしまった。
この時のことをバルベルデは「あの場面ではああするしかなかった。モラタには申し訳なく思っている」と正直な気持ちを吐露。
バルベルデの当時21歳にして、あの勇気ある判断はマドリディスタにとっては嬉しい限りであろう。あの場面でレッドカード覚悟で相手を削る判断をするのは、同じくアトレティコマドリードとのCL決勝のアディショナルタイムにカード覚悟でカラスコにスライディングをしたセルヒオ・ラモスと重なってしまう。レアル・マドリードのゆくゆくのキャプテン候補に名を挙げているの納得だ。
豪快なオナラ事件
バルベルデといえばインスタライブで豪快なオナラをこいたことがファンの記憶に残っているだろう。恋人と共に配信を行っていた時に、それは起きた。視聴者の質問に答えている中、急に前屈みになったバルベルデ。そして豪快なオナラ。恋人は「あなたどういうつもり!?」と大爆笑。
大勢のファンがいる中で豪快なオナラをできるメンタリティは、レアル・マドリード特有のプレッシャーにもなんなく対応してくれそうだ。
終わりに
レアル・マドリードの非売品の一人であるバルベルデ。スアレス、カゼミロらのお墨付きでもあるのでこれからの活躍のほぼ間違いなしでしょう。
ただ怪我が今シーズン多いのが少し気がかりです。。今はシーズン終盤で大切な時期なのはわかりますが、再び大きな怪我をしてしまわないか、少し心配ですね、、、
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