第2節レバンテ対レアル・マドリード~エンターテイメントとしては最高~

イルッチョ語り
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ラ・リーガ第2節レバンテ対レアル・マドリードの試合を振り返る。アンチェロッティ自身ではレバンテ相手に初の引き分け、ここ10試合では対レバンテに4勝3分け3敗となってしまうというまさかの5分5分の結果になってしまったこの試合。どうしてこんなにレバンテに苦戦するのか悩み悲しむ週初めとなってしまった、、、

あらすじ

スタッツはこんな感じhttps://understat.com/match/17153

モドリッチ、クロースが負傷でいないという緊急事態で迎えたレバンテ戦。イスコを先発起用し、試合前にはアセンシオの中盤起用を仄かしており、戦力の不足感は否めないもののワクワクした気持ちで朝5時に起きたマドリディスタも多そう。

試合は前半4分のベイル弾で幸先よく先制。前半はレバンテのハイプレスを見事にいなしながら、チャンスクリエイト。質の高い攻撃とシュートで終わらせるという高い意識で前半30分以降はレバンテの主導権は渡さなかった。明るいイメージで試合を折り返す。

しかし試合開始早々から失点を許し、安心ムードから一気にスリル満点な試合に叩き落とされてしまう。マドリーのシーズンの開幕の味がした。

レバンテは4-2-2-2で鋭い速攻を見せる時もあれば、左サイドバックとカンパーニャがモラレスの横に並ぶ形までポジションを上げ、リスクはあるが分厚い攻撃を狙った。幅のある攻撃と縦に速い攻撃をまざまざとマドリーに見せつけ、「マドリー相手だろうがこっちは一歩も引かないぞ!」というレバンテらしいメッセージを伝えてきたのだ。そんなレバンテに呑まれるように失点。

しかし、ヴィニシウスの活躍によって2度レバンテに追いつくと試合終盤にレバンテGKのアイトール・フェルナンデスがエリア外でのハンドで1発退場。このプレーは結果としてはしてやられたりだったが、レバンテは交代枠を使い切っていたため、フィールドプレーヤーがGKを務める。悲しかったのはキーパー退場劇から10分弱の間、枠内シュートを飛ばせなかったこと。残り時間少ないこともあってボールを大事にしようとした結果だとは思うが、マドリーの選手には少し物足りなかった。

勝ち点1をもぎ取ったとも言える、勝ち点2を失ったとも取れる後味の良くない試合。幸いバルセロナはアスレティック・ビルバオにゲーム内容で完敗してくれたのでダメージはやや少なめ。今季の敵も相変わらずレバンテなのか、、

ここ近年レバンテがレアル・マドリードに対して強さを見せるtransfermarktより抜粋https://www.transfermarkt.com/vergleich/bilanzdetail/verein/3368/gegner_id/418

インテリオール問題

この試合前まで、今シーズンの中盤の主軸を担うのはモドリッチ、クロース、バルベルデ、カゼミロの4人とされていた。そこに本戦では試せてはいないが、イスコ、アラバ、ミゲルを混ぜるのではといった具合。もしかしたらインテリオールとしてイスコを起用するのは全然ありなのかもしれないくらい今日のイスコは輝いていた。

 イスコのインテリオールとしての強みは類稀なテクニックによる高いキープ力とドリブルでの中央突破。またイスコの好む「ボールに多く触れられる」という点も満たしている。ビルドアップや縦パスを差し込む能力、インテリジェンスはモドリッチやクロースに劣るも、「高いシュートセンスとドリブルテクニックをうまく活かせればインテリオールの頭数に十分数えられるんじゃね?」そう感じさせる自信あふれるプレーだった。

 対してアセンシオのインテリオール起用はアセンシオをウイングで起用した際のマイナス面を解消する策でもある。アセンシオはクロスを中に入れ続ける係となることが多く左足は高精度だ。しかしウイングがクロスボールを上げることで中の枚数が一枚足りないという状況はここ近年のマドリーの特徴。単純にアセンシオをインテリオールに起用すれば中に飛び込む枚数を一枚増やせる。さらにはアセンシオ自体が流動的に中にも入り込める選手なのでインテリオールに適性があってもおかしく無い。

だが今日のアセンシオはイスコと反対に可能性を感じるものではなかった。状況も状況だし、決めつけるのも時期尚早な気がするが、やや不安が残る起用となった。完全に伸び悩んでしまったアセンシオを見るのはやや辛いものがある。

アセンシオはムバッペと比較されていた選手だっただけに現在の状況はもったいない。ヨビッチの終盤での起用もあったように、アンチェロッティはチームの選手全員を再生しようとする試みは感じられる。シーズン初めだからさまざまな選手にチャンスを与えているわけではない筈だ。ヨビッチも悪くないプレーを見せていたので、アンチェロッティが選手に自信を与えているのは明らかだ。推しの選手の活躍を望んだマドリディスタには楽しみな開幕になっただろう。

守備改善は急務

レバンテ相手に3失点はまさかまさかの結果だ。

1失点目のシーンはルーカス・バスケスの右ラテラルとしての経験不足感はあったかなと感じる。ギリギリの場面でオフサイドかどうかの迷いが生じ、足が完全に止まってしまった。

2失点目はゴラッソではあるが、防げた場面だろう。コミニューケーション不足と不注意が招いた失点だ。まず左サイドであるがアラバが深い位置であるがマークを1枚外し、相手に突進。アラバが外した一枚にナチョが飛び込むのが遅れ、クロスを上げられカンパーニャにゴラッソを叩き込まれた。

そしてフィニッシュされた右サイドであるが、バルベルデ、バスケスともに大外であるカンパーニャを見逃している。バルベルデが中をケアしていたこともあるが、マークが一枚完全に余っていた危険な状態だったので誰かが指示してバルベルデのポジションを変える必要があった。このゴールギリギリまでバルベルデ、バスケスともにカンパーニャを見向きもせず完全に見逃していた。

3失点目もマークのずれが生じていた。DAZNの解説の小澤さんも「マドリーどうしちゃったんですかね」と唸るようなあまりにもイージーな失点だった。

今節で生じたのが左サイドのCB、SB問題と右サイドのSB問題。後者はカルバハルの復帰で解決できるはずだ。先の失点でバスケスの本職でないことによる土壇場での判断ミスといった経験不足が大きいウエイトを占めるはずだ。カルバハルではおそらくギリギリでシュートブロックに駆けつけたり、バルベルデのポジションは修正していたはずだ。

左サイドであるが、こちらは難しい。ナチョはインターセプトを狙ってガンガン前に出ていくタイプのCBなのでその強みを消すのはもったいないし、アラバはCBに起用するのはもったいない攻撃でのクオリティを持っている。筆者の考え得る策というか解決策は2つしかない。

・ボールに食いつき気味のアラバとナチョであるが、起用し続けて守備面での連携の練度を高めるしかない

・ナチョとミリトンの配置を交換する

2つ目の案は急すぎる気もするので、配置は変えてこないとみる。ナチョとアラバが互いに微調整し合って守備面の不安を削っていくだろう。また両ウイングにより守備のタスクをかし、修正する可能性も十分高いだろう。

ヴィニシウス覚醒?

ここ数年レアルマドリードが体裁を保ってきたのは決定力は微妙でもヴィニシウスが爆発的な突破力で局面を単独で打開し続けてくれたからだ。マドリディスタも決定力を引き換えに、数で勝負のチャンスクリエイトで踏ん張っていたのは承知の上だった。しかし、今シーズンのヴィニシウスは全マドリディスタの夢の選手へと昇華したのかもしれない。

爆発的なスプリントでゴール前までボールを運ぶことができる、代償にシュートの場面では体制を崩してしまいボールを思ったところに飛ばせない。ドリブルに関してはスペースさえあればもはやワールドクラスにだけに「惜しい選手」だった。ジダン政権になって以降、ヴィニシウスはジダンに熱心に熱心に指導されていたようで、居残りしてシュート練習に励んでいることもたびたびメディアに報じられていたが、なかなか数字に結びつかなった。ここ2試合で判断するのは早すぎるかもしれないが、アンチェロッティが形にしたのかもしれない。

アラベス戦、レバンテ戦でのゴールはヴィニシウスの成長が感じられるものだった。1点目はキーパーとしっかりと駆け引きをし、タイミングをずらしたシュートでゴールに流し込んだ。2点目はブラジル人らしいスペクタクルなボールの扱いを見せ、素早い動作からファーに蹴り込んでいる。今までに無いゴール前での落ち着きを見せた。

アンチェロッティはヴィニシウスに「少ないボールタッチでゴールを狙うように」と要求しているようだが、まさに有言実行。もともと敵をかわしてからのシュートパターンは多彩な選手だったが、アンチェロッティの指導のもと更なる覚醒の予感が止まらない。ヴィニシウスはソラーリ、ジダンが育てアンチェロッティが形にしたのだ。

終わりに

次節は絶対勝利!ムバッペ以外の戦力の噂は皆無だけど、補強よろしくお願いします!

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