【解説】セルヒオ・レギロンのプレースタイル、成績、市場価値は?

プレミアリーグ

先日またレアル・マドリードから一人の優秀なSBが去っていった。財政危機とはいえ、レアル・マドリードに忠誠を尽くしてきた熱い男を失うのは受け入れがたい。ジダン第2時政権の煽りを受けてしまった選手の一人でもある。

愛すべきカンテラーノであるセルヒオ・レギロンについて語らせて欲しい。

基本情報

スペイン代表

生年月日:1996年12月16日

ポジション:左SB、左WB

現所属:トッテナム

市場価値:レアル加入時(0€)→レアル退団時(1500万€)→トッテナム現在(2800万€)

レアル・マドリードでの成績:22試合0ゴール3アシスト

セビージャでの成績:38試合3ゴール5アシスト

トッテナムでの成績:20試合0ゴール5アシスト(2021/1/30時点)

経歴

8歳でレアル・マドリードの下部組織に入団。順調にカテゴリーを挙げていくが、19歳の時、レアル・マドリードの実質のBチームであるカスティージャへ昇格できず、レンタル期間を経てレアル・マドリードのカスティージャへ昇格する。

その後、順調に成長していきカスティージャのキャプテンまで任されるようになる。ジダン第一次政権が終了し、ロペテギ政権が始まって初めてトップチームに帯同。アメリカでのプレシーズンマッチで印象的な活躍をし、「マルセロの後継者が見つかった」と少し話題なるも、当時マルセロのバックアッパーにはテオ・エルナンデスがいたためトップチームでの出場機会は得られなかった。

その後ロペテギが解任され、当時カスティージャを指揮しレギロンを指導していたソラーリが暫定監督に就任。シンプルさを好むソラーリはマルセロではなくレギロンを重宝しチームの成績も上向き始める。この時、レギロンは自らの評価を高め、レアル・マドリードの正左SBとして定着する。この時期はソラーリ監督が信頼の厚いカスティージャの選手やヴィニシウスなどの若手を積極的に活用しながら、好成績を残したためマドリディスタはマドリーの将来に胸を躍らせた。

しかし、チャンピオンズリーグでアヤックスにまさかの逆転負け、クラシコ連敗とビッグマッチで勝てず間も無くしてソラーリ監督は解任された。第2次ジダン政権の始まり、とともにレギロンのベンチを温める生活が再び始まった。マルセロが左SBを勤めるようになったのだ。シーズンの終わりとともに、マドリーはメンディを補強、レギロンは居場所を失いセビージャへレンタル移籍した。

セビージャでは持ち前の実力と負けん気を発揮し、スタメンに定着し上記に示した大活躍を見せた。しかし、セビージャでの活躍も虚しく、レアル・マドリードの財政はコロナショックで大打撃を受け、財政確保要員としてトッテナム・ホットスパーへ移籍した。

トッテナムに移籍した後も、プレミアリーグ独特のサッカースタイルに順応してみせコンスタントに出場機会を確保している。またサイドバックだけでなくウィングバックもこなし、トッテナムの重要な戦力までと成長している。

プレースタイル

レギロンの長所は万能性だ。フィジカルは一定水準で、スペイン人らしいビルドアップの巧みさやパス、連携のうまさ、気の利いたオーバーラップや積極的な攻撃参加と現代型のSBである。

インナーラップのうまさに関しては世界でもトップクラスで、サイドハーフやウイングにボールを預けて最高のタイミングで中へ飛び込んでくる。瞬時にスペースを見つけ、そこに飛び込むことができる器用さを兼ね備えている。攻撃におけるボックスへの侵入はレギロンの持ち味であり、ほかのSBがもたない武器だ。トッテナムの試合を見る方は彼がボックス内へ侵入する様子を注視していただきたい。

スペイン仕込みのパス能力やサッカーIQはプレミアリーグでは異色だろう。ファーストタッチで相手をかわしたり、適切なタイミングで縦パスもガンガン通すことができる。内外のランニングを使って見方をフリーにしたり、パスコースを作ったりと何かと気が利く選手だ。またショートパスだけでなく、クロスの精度も高い。

これらの特徴に加え、実はドリブルも非常にうまい。キックフェイントで逆をついたり、スピードに乗った状態からまた抜きなどといざと言うときの対応力も素晴らしい。特にこれと言った穴が見つからない選手である。

彼のパーソナリティも意外と面白く、ピッチの外ではみんなから愛されるいじられキャラであるが、ピッチの中だとそれは豹変。相手に罵声を浴びせることも度々あり、燃え盛る闘争心をあらわにする。エル・クラシコの際にはスアレスに「馬鹿」「ゴミ野郎」と強烈な罵声を浴びせてみせた。しかし、サッカー選手としてそれぐらいの勝負への熱さや相手を出し抜こうとする勝利への執着は評価すべきであろう。

レアル・マドリード在籍時の評価

 レギロンがレアル・マドリードに在籍していた頃は激動の時期だった。クリスティアーノ・ロナウドが抜け、誰もその穴を埋めることができずにいた時代。そこに一筋の光として現れたのが当時18歳であったヴィニシウス・ジュニオール。彼の爆発的な突破力の影で、ピッチ上の気が利く兄貴として彼をサポートし続けていたのがレギロンだった。彼とヴィニシウスの連携は凄まじく、レアルの左サイドは安泰だなとマドリディスタは感じていた。

 ソラーリは縦に早くシンプルなサッカーを好み、ヴィニシウスはその中で輝いた。カウンター重視のサッカーでリスク管理も大事にしていたソラーリはDFラインからまずマルセロを外した。するとレアル・マドリードは勝ち続け、レギロンがDFラインにいる時の勝率は75%と言う報道も出て、正直マルセロよりもレギロンを支持する人は多かったように思う。ジダンが来てなぜレギロンが冷遇されたのかは正直理解できなかった。マルセロが単純に好みだった説が濃厚であるが、、、

 このようにレギロンはマルセロよりも高い評価を受けていた。しかし、白い巨人は放出してしまった。現在、レアルのカンテラ出身の選手はナチョ、バスケス、カルバハルのみだ。貴重なカンテラーノをレアル・マドリードは失ってしまっていることが、マドリディスタの心に深く突き刺さり続けている。

何かとメディアで話題なる男

セルヒオ・レギロンといえば何かとメディアで話題になる。

一つ目はセルヒオ・ラモスブチ切れ事件だ。練習中の一幕でこの事件は起きた。ロンド形式で練習を行っていた中、レギロンは守備をしていた。外でボールを回していたセルヒオ・ラモスの元にボールが転がってくると、レギロンはそこへかなりアグレッシブなチャージを見せる。練習では怪我をさせるなんてありえない、相手はあのセルヒオ・ラモス!極めつけはラモスの鼻にレギロンの肘が思い切り入ってしまったのだ。

激昂したラモスは近くに転がっていたボールを思い切りけってレギロンの足に当て、レギロンは悲しそうな表情を浮かべそれを耐えるだけだった。後日、二人は和解しお互いを認め合う投稿をインスタグラムにポストした。

2つ目はクリスマスパーティ事件!

これはトッテナム移籍後の事件で、あのジョゼ・モウリーニョを怒らせた大事件だ。ロックダウンの中、ジョゼはレギロンに「クリスマスはイングランドで一人で過ごすのか?」と尋ねると、レギロンは「スペインには帰れないからね。一人で過ごすよ。」と答えた。それを案じたジョゼモウリーニョはレギロンに特大ハムをプレゼントした。しかし、メディアには禁止されている大規模なホームパーティにレギロンが参加していたのバレてしまっていたのだ。しかも、当日参加した女性インスタグラムの投稿には巧妙にもレギロンの部分だけ切り取られており、完全に確信犯だとバレてしまったのだ。

これを受け、ジョゼはレギロンには失望したとメディアに伝えたのでした、、、

終わりに

レアル・マドリードと言う常に結果を求められるチームの中ではカンテラーノはもう居場所がないのかもしれない。レンタル期間の間に即戦力クラスの成長を遂げなければレアルには戻れない。

最近はどんどんレンタルに出されていく若手を眺めるのに嫌気が差してきた。いつだってクラブが成長するのは生きのいい若手が入ってきた時だ。今のレアル・マドリードには若手の風が足りないのがなんだかなあ。

この企画すると悲しくなっちゃうな。

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