現在欧州のビッグクラブが水面下でCLに変わる大会の設立を目論んでる。今回は今話題の欧州スーパーリーグ構想について
大会形式は?
欧州スーパーリーグはCLを廃止する前提で進んでいることをまずは理解してほしい。その上で大会形式は以下の通りだ
・参加チームは加盟チームと招待チーム5チーム
創設チーム:レアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリード、ACミラン、インテル、ユベントス、プレミアリーグBIG6、
加盟する見込み:バイエルン、ポルト、ライプツィヒ
・10チームずつのリーグ戦をホーム&アウェーで行い、各グループトップ4が決勝トーナメントに進出
特筆すべきは参加賞きんだ。現在チャンピオンズリーグの参加賞金の約3倍もの賞金をもらうことができる。さらには最新情報では参加チーム全てに35億ユーロもの参加賞金を保証するようだ。コロナ禍でショックを受けた財政には、とても美味しい話だ。
なぜそのような構想が生まれたのか
ことの始まりはいつも資金繰りだ。チャンピオンズリーグの賞金の分配方法に欧州のビッグクラブが不満を持ったのだ。
現行システムではチャンピオンズリーグの放映権は莫大であり、それらが大会に出場するだけで10数億の賞金として分配される。ここで欧州メガクラブにとって引っかかる点があるようだ。
チャンピオンズリーグの莫大な収益のほとんどは放映権だ。世界中から多くのスポーツ配信サービスがチャンピオンズリーグのコンテンツを高額で買っている。しかし、多くの視聴者はヨーロッパのマイナーリーグの王者の試合を見るためではなく、4大リーグのメガクラブを見るためにチャンピオンズリーグにお金を払って見に来ている。なのになぜ、マイナーリーグ王者に十何億もとられなきゃいかんのだ!
このような不満をCLのメガクラブは持ち始めたのだ。
また欧州4大リーグが放映権を平等に分配してチーム間の格差解消をしたことによりメガクラブが安定して上位をとれない点もメガクラブにとっては面白くはないだろう。
このような資金確保面を考慮して欧州スーパーリーグ構想を生み出したのだ。
現在の進展
欧州スーパーリーグの進展はバルセロナのバルトメウ元会長が参加を表明していたというとんでもない置き土産をして以来、謎に包まれている。しかし首謀者であるとされるレアルマドリードとユベントスは水面下で密会などを繰り返し、構想を現実のものとしようとしている。
もちろんUEFA は反対しているし、今回は珍しくFIFAも意見を一致させ徹底抗戦の構えを見せている。欧州スーパーリーグに参戦した選手はFIFA、UEFAが主催する大会に一切出場させないと宣言したのだ。FIFA、UEFAの主催する主要大会といえば、W杯、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、ユーロ大会、クラブW杯とそうそうたるラインナップとなっている。
しかしFFPをめぐるマンチェスター・C対UEFAの対立ではクラブ側が上回ってしまったため、UEFAやFの力の無さが世界的に露呈させられてしまった。UEFAやFIFAの欧州クラブに対するペナルティを違憲とみなし、回避することも可能となるかもしれない。今はUEFAよりもメガクラブの方が力を持っているため、スーパーリーグが現実のものとなる可能性は十分にあり得るだろう。
現在、UEFAは現行のチャンピオンズリーグの大会形式を変え、欧州メガクラブの説得を試みている。近日中に色々動く可能性大である。
参考動画
すでに外堀は固めてある
今回のスーパーリーグ発表の決め手となったのはCLの新しい新フォーマット発表。こちらは非常にファンから見ても魅力を感じるものではなく、当然ビッグクラブも不満を持った。UEFAへの不満はもう爆発寸前だ。
すでに初年度の予算は1.2兆円の予定。そしてそのうち6000億円はすでにJPモーガンが工面している。残りの6000億円は放映権で補填するというまさにスーパーな計画だ。発表しただけあって土台作りは全てできているのである。
終わりに
個人的に欧州スーパーリーグはメガクラブのファンは賛成するかもしれないが、下位クラブとの差が生まれてしまうのは寂しい。現在各国リーグを盛り上げているのは成長してきた中堅クラブや昇格クラブたちであり、彼らの躍進が見られなくなってしまいそうでこの構想はもう少し見直しが必要ではないかと思う。
さらには地元の歴史を愛する人々が新しい大会は許さないだろう。フットボールはビジネスが本質ではない。サポーターの情熱、歴史、選手あってこそのものなのだから。
チャンピオンズリーグのアンセムが聴けなくなるのもさみしいなあ。